ランニングシューズ

【アシックス】メタレーサー アシックス初代カーボンプレートシューズ 人を選ばないナチュラルな接地感


2020年6月に発売されたアシックス初のカーボンプレート搭載シューズです。
ターゲットはサブ3などを見据えるシリアスランナー向けで、本来サブ3.5ギリギリの私にとっては敷居が高い(笑)
ただ、私は大のアシックス好きということもあって、発売されてすぐに購入しました。
近年のアシックスのトレンドである前足部の反り上りがやはり特徴的で、名前からもアシックスのメタライド、グライドライドとエボライドに代表されるライドシリーズの系譜と言えるでしょう。
重さは片足27.0cmで210g(実測)

んー、かっこいい。正直好みです(笑)
アシックスって質実剛健というか、良くも悪くも無骨なイメージが自分の中にはあって、それもまた魅力の一つかなと思うのですが、これはスタイリッシュな感じですよね。(語彙力なし)

●ネットでの評価

 ・ナイキのヴェイパーフライほどの爆発的な反発感はない
 ・クッション性もそれほど高くなく、地面へのレスポンスが厚底の割にダイレクトで早い
 ・一歩一歩が大きいストライド走法よりも、足を速く回していくピッチ走法に向いている

 このあたりに集約されるでしょうか。

●実際に履いてみた


 履いてみての感想。軽い!普段、しっかり足を守るシューズを履いている私にとっては驚きの軽さ。
そしてシュータン(靴舌)が薄いし、アッパーのメッシュ素材もとにかく薄い。ミッドソールは、フライトフォーム。クッション性と軽量性を両立させたソールです。ジャンプして見ると、厚底の割に物凄い柔らかいわけではなく、かといって物凄く反発するわけでもない。この時期には、フライフォームよりも反発性のある素材があったはずなのに、このメタレーサーには使用していないところがポイント。
例えば、部活生やスピードトレーニングもお任せのライトレーサーや、このメタレーサーと同じガイドソールテクノロジーを駆使したエボライドに使われているフライトフォームプロペル、そして反発性がウリのノヴァブラストに使われているフライトフォームブラストの方が反発性に関して言えば優れている。

 これはやはり、このメタレーサーというシューズの立ち位置をよく表していると思う。ソールの反発ではなく、自らの足でどんどん足を回していくためのシューズだ。そのためには過剰なクッション性も足を回すには仇となってしまう。レーシングシューズで高いクッション性が必要なのは、ヴェイパーフライに代表されるようなストライド走法で飛び跳ねるように走るためにあるからだ。

 アウトソールを見ると、グリップがかかとの部分にはそれほど多くないので、フォアフット走法(前足部着地)かミッドフット走法(足裏全体着地)に向いてるようだ。ちなみに自分はガッチガチのヒールストライク走法(かかと着地)です。

 カーボンプレートは前足部から中足部までの部分的に搭載されていて、全体にあるわけではない。前足部の反りが特徴的だが、カーボンが入ることによって、この部分が固くほとんど動かなくなっている。そのため、着地から体を前傾させるだけですいすいと前に進むことができる構造だ。
 かかと部分は、抜け感がないようにスポンジで内側を覆っているものの、固いヒールカップはなく、軽量化を最優先しているあたりはいかにもレース仕様と言える。

●実際に走ってみた

 ・キロ6ペース
 はっきり言って、軽さ以外の恩恵はあまりないと感じる。正直メタレーサーをジョグに使うのは勿体ないだろう。
 ・キロ5ペース
 エリートランナーにとってはジョグペースですが、自分ならすでにペース走やフルマラソンのレースペース。このあたりから、自慢の足離れの良さが味わえる。着地と同時に前への推進力がダイレクトに伝わる。厚底カーボンシューズはここから、反発の力でストライドを伸ばして「びょん!」と飛ぶ感覚があると思うが、このシューズは着地と同時に「すいすい」という感じ。
 ・キロ4:30ペース
 着地から前に踏み込む際に、カーボンプレートの恩恵が味わえるように。体重が前足部にかかると、形状を留めようとするカーボンとの間に反発力が生まれる。なるほど、スピードをあげると味わえるようになるのか。
 ・キロ4:00ペース
 なるほど、どんどん反発を感じる。基本的には軽さと厚底にしてはダイレクトに近い接地感によってすいすい前に進むが、踏み込み時に反発が来る!きっと、このペースを維持できる人にはいいシューズに違いない(笑)

私は、このシューズをレースで2回使用しました。
初回は、ハーフマラソン。前半はキロ4:30で巡行したのですが、暑さもあり後半はキロ5に失速。このシューズの恩恵をあまり使うことなく終わりました。
2回目は10kmマラソン。それまで、自己ベストは44:04(キロ4:25ペース)だったのが、41:57(キロ4:12)の大躍進!
このシューズの真価はこのあたりから発揮できるようです。

●現時点におけるこのシューズの立ち位置は

言わずと知れたナイキ一強のエリート用マラソンシューズ業界。各メーカーが追いつき追い越せとシューズを販売しています。
そんな中、アシックスはどうかというと、今年の4月メタスピードスカイという、ヴェイパーフライに対抗するコンセプトのシューズを繰り出しました。
6月にはピッチ走法向けに、厚さや前足部と後足部のドロップ差を調整したメタスピードエッジを販売開始しています。

ではこのメタレーサーはどうか。メタスピードはミッドソールの反発を利用して進むシューズ。そのため、地面へのダイレクトな接地を推進力に変えていくこのシューズとコンセプトは別のところにあります。昨今のスピードシューズはどれも反発特化型が主流となっていますが、足を痛めることなく、自然な接地感から推進力を得ていくこのシューズは選択肢の一つとしてあると思います。

まとめ

・メタレーサーには爆発的な反発力はないものの、自然で推進力のある走りを実現できる良シューズ
・レベルによってはフルマラソンでは難しくてもハーフマラソンや10kmで活躍できる

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