今回は2024年2月に発売されたエボライドスピード2のレビューです!
アシックスが誇る2019年から発売されたエナジーセービングシリーズ。
期待裏切らない出来となっています。
どんな人に向いているか使い方などについて書いていきたいと思います。
エナジーセービングシリーズの歴史
エボライドスピードのレビュー時にも記載させていただきました!
2019年のメタライドを皮切りにグライドライド、エボライドと順次発売されいずれも人気のシューズとなりました。
詳しくはエボライドスピードのレビューに記載していますので、ぜひご覧ください。
エボライドの歴史
さて、上記の通りメタライドやグライドライド程の安定性はないものの、そこそこの安定性と軽量化、そして驚きのコストダウンを果たしたエボライドシリーズ。
前作のエボライドスピードから路線を若干変更しましたが、今回のエボライドスピード2は、より用途を拡大した出来となっています。
エボライド | エボライド2 | エボライド3 | エボライド スピード |
|
発売日 | 2020年1月 | 2021年2月 | 2022年6月 | 2023年2月 |
アッパー | エンジニアードメッシュ | ジャガードメッシュ | ||
ミッドソール | FFプロペル | フライトフォーム | FFブラスト | |
アウトソール | エーハー | |||
重さ(27.0) | 片足250g(実測) | 片足232g(公式) | 片足(210g)公式 | 片足243g(実測) |
価格 | 10,000円 | 12,000円 |
初代エボライドは、足が自然に前と転がる感覚のエナジーセービングシステムを導入しつつも、自らの足で蹴る感覚も残しており、フルマラソンサブ3.5を目指すランナー向けの展開でした。
そのため、サブ5から完走目標のグライドライドに比べて片足約50gの軽量化がされています。
そしてエボライド2ではアウトソールのグリップ部分を摩耗しやすい部分に特化することでさらに軽量化、エボライド3では、アッパーソールをジャガードメッシュに変更し、シュータン(靴舌)を薄くしてさらに軽量化しています。特にエボライド3の片足210gは、エリートのレースシューズに匹敵する軽さです。
その点次作のエボライドスピードでは、前に転がるエナジーセービングシステムをグライドライド並みの形として、蹴らなくても自然に前に進む状態に変更となりました。
重さも243gとGT2000や、ナイキのペガサスシリーズ、ミズノのウェーブライダーシリーズに比べればまだまだ軽いものの、スピード特化と軽量化の路線は若干薄まったと言えます。
ミッドソールも柔らかくなり、レースやスピード練習向けとなっていたエボライド3とは明確に分かれたと言ってよいと思います。
もっとも軽量化のためのジャガードメッシュなどは健在であり、重さもジョグシューズに比べれば軽いので、ジョグにもスピード練習にも使用できるマルチなシューズと言えます。
エボライドスピード2の特徴
さて、ようやく本題です笑
2022年5月に発売されたグライドライド3。
その出来は素晴らしく、初代から順調なアップグレードを果たしグライドライド4の発売を熱望する声は後を絶ちませんが、そこから後に発売されたエナジーセービングシリーズは、2022年6月のエボライド3、2023年2月のエボライドスピード、そして今回の2024年2月のエボライドスピード2の発売となりました。
グライドライド3の熱烈な支持者がいる中で、新作が発売されないことは不思議で仕方がないのですが、エボライドスピードと今回のエボライドスピード2の出来を見ると、ひとつの仮説が成り立ちます。
それは、グライドライド4の発売はなく、エボライドとグライドライドのいいとこどりとしての最終型がエボライドスピードシリーズという説です。
そこを念頭に置いてみるとこのような図式となります。
グライドライド3 | エボライド3 | エボライド スピード |
エボライド スピード2 |
|
発売日 | 2022年5月 | 2022年6月 | 2023年2月 | 2024年2月 |
アッパーソール | エンジニアードメッシュ | ジャガードメッシュ | ||
ミッドソール | FFブラスト+ | FF | FFブラスト | |
アウトソール | エーハー+ | エーハー | ||
重さ | 片足295g(実測) | 片足210g(公式) | 片足243g(実測) | 片足228g(実測) |
価格 | 16,000円 | 10,000円 | 12,000円 | 13,000円 |
アッパーについて
前作の同じくジャガードメッシュを採用し、シュータン(靴舌)も薄くなっており、軽量化に貢献しています。
ミッドソールについて
前作と同じくFFブラストを採用しています。フライトフォーム(FF)は、アシックスのほとんどのランニングシューズに使用されいる素材で、軽量性と安定性、反発力を兼ね備えたミッドソールです。一部のお求めやすい価格帯では、やや重さのあるアンプリフォームを採用しています。
フライトフォームにもいくつか段階があり、オーソドックスなフライトフォーム、より反発力が増したFFプロペル、さらに反発性が増したFFブラスト、エリートシューズ用のFFブラストターボなどがあります。
エボライドスピード2では前作と同じFFブラストを採用しており、反発力に優れたソールです。
グライドライド3に採用されたFFブラスト+とFFブラストの違いは主に柔らかさで、FFブラスト+の方がより柔らかな接地感となっています。
エボライドスピード2は、その名の通りある程度のスピードにも対応するためFFブラストを採用したと思われます。
アウトソールについて
前回と同じくエーハーを採用しています。雨のグリップ性に優れるアシックスグリップの採用はありませんでしたが、アシックスグリップはメタスピードなどのエリートモデルで採用されているので、そこは価格帯からこの辺りと思います。
かと言って、滑るかと言うとそんなことはなく、しっかり地面を掴んでくれます。
エナジーセービングシステムの強化
上が、前作のエボライドスピード。下が、エボライドスピード2です。
ここにグライドライドが発売されない答えがあると思っています。
前作よりも前足部の反りかえりが極端になり、グライドライドに近い形状になりました。
これによって、足を置くだけで自然な前傾を促し、ジョグにも寄り対応した形となりました。
サイズ感について
私は27.0cmを購入しました。
直近3年で私が購入したシューズは以下です。
サイズ的には標準と思います。
エボライドスピード 27.0(2E)
エアズームペガサス40 27.0(2E)
エアズームペガサス39 27.0(2E)
グライドライド3 27.0(2E)
フューエルセルRCエリートv2 27.0(2E)
ゲルスノーライド2 27.0(3E)
重さについて
前作のエボライドスピードより約15gの軽量化に成功し、片足228gです。
アッパーに変更がなくミッドソールの厚さは変わらない。アウトソールのエーハーの採用箇所も同じなのにどうやって軽量化したのでしょう驚
実際に走ってみた
●キロ6:00~
相変わらず優しい接地感です。設置した後の前に転がる感じが前作より大きくなっており、よりジョグに対応した形となっています。
更にグライドライドに近くなったと言えるでしょう。
安定性もしっかりありますが、足全体を包み込む優しさにあふれたグライドライドとの違いは前作と同じです。しっかりと母指球で着地し、エナジーセービングの前傾を委ねながら走るとすいすいと進むことが出来ます。
私は、普段のジョグペースがこのくらいなのでちょうどよく使用することが出来そうです。
ただし、普段からこのペースよりもっとゆっくり走るということであれば、このシューズの必要性はなくなってくる可能性があるなと正直思いました。
というのも、このシューズは27cmで228gです。ゆっくり走るのにここまで軽い必要はなく、それであればアシックスならゲルカヤノでよい気もします。
魅力的なのはやはり価格!カヤノやニンバスに比べて5,000円安いのはやはり大きい!
ジョグシューズにどこまで安定性を求めるかが、このシューズを選ぶ選択肢になることでしょう。
●キロ5:30
FFブラストの反発力が感じられるように、体が前に推進されていくのを感じます。蹴り出しと同時にエナジーセービングシステムが前に進めてくれるのも心地よです。
●キロ5:00
シューズの反発力の恩恵がさらに感じられるようになります。このペースであれば、安定性においても気にならなくなりさらにペースを上げたくなります。
前作より軽くなったことで足離れがさらによくなり、どんどん進みたくなります。フルレングスカーボンのシューズが合わない人は、このペースでフルマラソンを走るサブ3.5を目指すのにも丁度良いと思います。
●キロ4:30
強化されたエナジーセービングシステムはほぼ関係なくなります。あくまで私の場合ですが、このペースで走る場合は足を地面に置く感覚より蹴る感覚の方が強いからです。
FFブラストの反発力でどんどん前に進むことが出来ます。軽くなった恩恵が最大限感じられます。このタイムでスピード練習やペース走を行う方にもぜひおすすめしたいです。
ただし、フルマラソンのレースをこのペースで走る人には物足りないでしょう。いくら、FFブラストが反発力に特化したミッドソールと言っても、カーボンプレートやナイロンプレートも非搭載のモデルです。
細かくピッチで走る方であれば選択肢に入るかもしれないですが、ある程度地面を蹴って進むのであれば、やはりマジックスピードかメタスピードが欲しいところです。
フルマラソン完走タイム別にみる使用用途
サブ3 | 普段のジョグに最適! このレベルの方であれば、ゲルカヤノやGT2000のサポート力よりもなるべく軽めのシューズが良いという方も多いと思いますので、このシューズをジョグ用として活用していただくのが良いと思います。スピード練習には少し物足りないかもしれません。 |
サブ3.5~サブ4 | ジョグやポイント練習などマルチに活用! 普段のジョグはもちろん、キロ4からキロ5の間のペース走や、ビルドアップ走、場合によってはインターバル走などでも使用できると思います。 |
サブ5~完走 | メインジョグシューズのサブシューズとして! 普段のジョグはゲルカヤノやペガサス、ウェーブライダーなどを使用して、たまにテンポアップしながらのジョグや普段のジョグにも使用できます。おすすめとしては、サブシューズとして購入しメインのジョグシューズを休ませたい時のジョグやスピード練習などマルチに使用できます。 |
価格について
近年の円安や物価高騰によって、若干値上がりはしましたが、それでも税抜きで13,000円!
ゲルカヤノやニンバスが18,000円、GT2000が14,000円であることを考えると破格です!
今なら大体税込み1万ちょっとで買えると思います。
●エナジーセービングシステムが強化されさらにジョグに対応!
●軽量化も実現し、スピード練習にも使える!
●ゲルカヤノやペガサスまでの安定性はないことに注意!
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!
男性は2E(普通幅)と3E(やや幅広)、女性はE(普通幅)、2E(やや幅広)のラインナップです。
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