今回は2023年2月に発売された、「エボライドスピード」のレビューです。
私は、初代エボライドは持っていますが、2と3は持っていないので、久しぶりの購入となります。
エボライドと言えば、2019年に発売された「メタライド」を皮切りに発売されたいわゆるライド三兄弟の三男坊。
走行効率を追求し、如何に効率よく足に負担を掛けずに走るかに特化したエナジーセービングシリーズです。
上記の通りその歴史は浅く、まだ5年も経過していないのですが、今やアシックスの主力ジョグシューズでウルトラマラソンなどの長距離愛好者に広く愛されているグライドライドシリーズ、ライドシリーズの中で最も軽く、サブ3.5を見据えるランナーやスピード練習用にも活用されいてるエボライドシリーズと高い評価を得ていますね！
ライドシリーズの歴史
ナイキのエリート用厚底シューズ、「ヴェイパーフライネクスト％」が席巻していた2019年2月にアシックスから「メタライド」が発売されました。
同じく厚底ながらもコンセプトは異なり、とにかく楽に走ることに特化したシューズで重量もある程度ありました。
価格も27,000円とジョグシューズとしてはかなり高価であることもあり、手にした人は少ないながらも、転がるイメージで一定の評価を得ています。
そこから七ヶ月を経て発売されたのが、ライド三兄弟の次男坊にあたる「グライドライド」。
16,000円と通常のジョグシューズ並みに抑えられた価格。普通に歩くと前に倒れこみそうな程に転がる斬新な構造。メタライドよりも柔らかい接地感。
主にアシックスユーザーの心を鷲掴みにし、新シリーズながらもゲルカヤノやGT2000シリーズに並ぶほどの大ヒット作に。
そこからさらに三か月。グライドライドよりもさらに軽量化し、ライド感を残しつつも、自分の足で蹴る感覚と固めの接地感でスピードを出したいユーザーにも応えるエボライドが発売されたのが、2020年1月でした！
驚くべきはその価格で、当時ランニングシューズの技術革新によって上昇傾向にある中、税別10,000円とコスパ最強シューズの名を欲しいままにしました。
| メタライド | グライドライド | エボライド | |
| 発売日 | 2019年2月 | 2019年9月 | 2020年1月 |
| アッパー | エンジニアードメッシュ | ||
| ミッドソール | FF+FFプロペル | FFプロペル | |
| アウトソール | アシックスグリップ | エーハー+ | エーハー+ |
| 重さ(27.0) | 片足300g(公式) | 片足295g(実測) | 片足250g(実測) |
| 価格 | 27,000円 | 16,000円 | 10,000円 |
価格を低減できた要因は、2層構造だったミッドソールを1層構造にし、アウトソールを雨に強いアシックスグリップから、やや雨には滑りやすい傾向と言われるエーハー+にしたことによります。
もっとも、短距離走と違って滑りやすいと言っても普通に走る分には十分に許容範囲ですので、余程地面を蹴り上げてスピードレースを展開しない限りは問題ありません。
また、そのレベルで走るとなれば、メタスピードなどの他のシューズを採用した方がよいでしょう。
エボライドの歴史
さてさて、2020年1月に発売されたエボライドですが、すでに3までアップグレードされています。
アウトソールのグリップ部分を摩耗部分に特化することで軽量化した2。
アッパーのメッシュとシュータン(靴舌)を薄くして、さらなる軽量化に成功した3。
そして、特筆すべきは価格が据え置きということです。
| エボライド | エボライド2 | エボライド3 | |
| 発売日 | 2020年1月 | 2021年2月 | 2022年6月 |
| アッパー | エンジニアードメッシュ | ジャガードメッシュ | |
| ミッドソール | FFプロぺル | FF | FF |
| アウトソール | エーハー+ | ||
| 重さ(27.0) | 片足250g(実測) | 片足232g(公式) | 片足210g(公式) |
| 価格 | 10,000円 | ||
エボライドスピードの特徴
さてさて、ようやく本題です(笑)
順調に軽量化を進めて行ったエボライドシリーズ。
そして、今年発売されたエボライドスピードの特徴は何と言ってもエボライド4ではなくエボライドスピードである点です。
あらためて、エボライド3と比較してみましょう。
| エボライド3 | エボライドスピード | |
| 発売日 | 2022年6月 | 2023年2月 |
| アッパー | ジャガードメッシュ | |
| ミッドソール | FF | FFブラスト |
| アウトソール | エーハー+ | |
| 重さ(27.0cm) | 片足210g(公式) | 片足243g(実測) |
| 価格 | 10,000円 | 12,000円 |
エボライドの特徴はやはりエナジーセービングシリーズの独特な爪先部の反りかえりです。
ナイキのペガサス40と比べてもその特徴が見て取れますね。
この独特な形状によって、自然に前に足を進めてくれます。
また、前作エボライド3に比べて30g以上重くなっていますが、その要因を見て行きましょう。
アッパーについて
驚くほどに軽くなった先代のエボライド3と同じく、アッパーはジャガードメッシュを採用し、通気性がよく軽量化にも貢献しています。
また、シュータン(靴舌)もかなり薄くなっており、ほぼ一体型となっているので、エリートシューズ並みの軽量努力がここからも見て取れますね。
ミッドソールについて
ランニングシューズの根幹をなすと言っても過言ではない、ミッドソール。
今回はここに大きな変更点があります。
まずは、フライトフォーム(FF)からフライトフォームブラストに変更になったことです。
フライトフォームブラストは、初代ノヴァブラストにて、「いつもの道を弾ませよう」をコンセプトに反発力に重点を置いた素材です。
また、前作に比べてミッドソールの厚さが26mmから35mmとなんと1cm近くボリュームアップしました。
重さが30gも増えたのはここに要因があります。
反発力が増したということは、推進力も増しますが足の負担も少なからず増えます。そこで、ミッドソールを厚くすることでダメージを減らすと言うことです。
ただし、30gの差は無視できない差ですので、ここをどう判断するかが好みの分かれるところでしょう。
反発力が増すと言うことは、一歩一歩が大きくなりやすくなります。そうゆう意味では、エボライド3に比べてストライド走法向けのシューズと言えるかもしれません。
「ガイドソールテクノロジーにFFブラスト」の組み合わせはグライドライド3の「ガイドソールテクノロジーにFFブラスト+」に似ていることから、より接地感を柔らかくすることを目指しています。
※ただし、FFブラスト+の方が、FFブラストよりさらに柔らかめである。
アウトソールについて
こちらは前作と同じくエーハー+を使用しています。
形状が、メタスピードなどと似ていて水はけを重視した構造になっているため、雨でも滑りにくいように配慮されているようです。
サイズ感について
私は、27.0cm(2E)を購入しました。
ちなみに、直近2年で私が購入したシューズは以下ですので、サイズ的には標準と思います。
エアズームペガサス40 27.0cm(2E)
エアズームペガサス39 27.0(2E)
グライドライド3 27.0(2E)
フューエルセルRCエリートv2 27.0(2E)
ゲルスノーライド2 27.0(3E) ※ラインナップが3Eのみ
重さについて
先代のエボライド3に比べて約30g重い、片足243gです。
初代に比べれば若干は軽いのですが、スピードに特化して軽くなっていった先代とは別物と見た方がよいでしょう。
それでも、ジョグシューズの大定番、同じくアシックスのゲルカヤノやゲルニンバス、ナイキのペガサスシリーズやミズノのウェーブライダーシリーズに比べて30～50g軽く、新鋭のホカオネオネのクリフトンシリーズと同等かそれより軽いくらいです。
早速走ってみた
●キロ6:00～
接地感が柔らかくかなりの優しさを感じます。接地した後の転がる感じは初代エボライドより断然高く、グライドライドに近い感じです。
この軽さで、この優しさはかなりのお得感を感じます！
敢えて注意するとしたら、柔らかさや優しさは十分ですが、安定性においてはグライドライドに劣るということです。
片足40～50g軽いのですから当たり前と言えばそうなのですが、しっかり母指球で着地を意識しないと安定感のあるジョグシューズに慣れている方は気になるかもしれません。
●キロ5:30
FFブラストの反発力が感じられるようになり、走るのが楽しくなります。自然とテンポアップしていく感覚です。
●キロ5:00
シューズの反発力とガイドソールの恩恵が十分に感じられるようになります。
このペースはフルマラソンサブ3.5ですが、最もそのペースに適しているように感じます。
このスピードになればグイグイと前に進めるので、安定性も全く気になりません。
●キロ4:30
FFブラストの反発力は健在で、どんどん前に進むことが出来ます。
ただし、このペースで安定巡行が出来るならば、近頃のスーパーシューズにかなうものではありません。
フルマラソンをこのペースでカーボンプレートの高反発に耐えうる自信をお持ちの方は、アシックス党であれば、マジックスピードやメタスピードが欲しくなるでしょう。
ある意味、練習用としては最適と思います。
価格について
忘れてはならないのはエボライドシリーズはお買い得であること！
初代から価格は若干上がりはしましたが、税抜きで12,000円！
今なら、大体10,000円を切ります。
●エボライドスピードは軽量化したエボライドにグライドライドの優しさを追加した逸品
●普段のジョグ、速めのジョグ、足を保護しながらのスピード練習と幅広く対応可能
●フルレングスカーボンのエリートシューズでフルを走りきることに不安のある方にも(サブ3.5～4近辺)
●スピード練習特化ならエボライド3を！
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました！
男性は2E(普通幅)と3E(やや幅広)、女性はE(普通幅)、2E(やや幅広)のラインナップです。
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